和歌はどうしたらいい?

 「和歌がわかんない!どうしたらいいの?」といった受験生の嘆きが聞こえてきそうです。確かに和歌は「掛詞」「縁語」「句切れ」「倒置法」などの修辞法が沢山あって受験生を悩ませます。でもそんなに深刻になることはないのです。このページでは和歌はどう扱ったらいいのかをお話しして、皆さんの気持ちを軽くできればと思います。気を楽にして読んでください。

和歌はわかんなくて当たり前!

 「えっ、いきなり!」と言われそうですが、そうなのです。受験生が初見の和歌をその中で使われている「掛詞」「倒置法」「句切れ」「縁語」「物の名」などの修辞を全部理解しながら解釈することなど無理なのです。それは大学で日本文学専攻の学生がやることです。(このうち「掛詞」は超頻出なので後述します) 

 では、どうすればいいのでしょう?それを以下に述べます。

和歌は成立事情をつかめ!

 入試では、和歌だけが単独で出題されることはありません。歌物語やセンター古文を見ればわかるように、必ず文章の中で和歌が取り上げられるのです。つまり古文の本文と切り離されて単独で和歌が出ることはないのです。ということは古文の本文の中には「誰がどんな状況で、どんな心情を和歌に詠んだか」が必ず書かれてあるのです。これを「和歌の成立事情」と言います。この「成立事情」がカギなのです。これを踏まえた和歌への対処法が以下です。

和歌の対処法

古文の本文を読んで、「誰がどんな状況で、どんな心情を和歌に詠んだか」というその和歌の成立事情をつかむ。

細かい修辞は気にせず、その「成立事情」から和歌の大意を推測する。

 「えっ、こんな簡単でいいの?」と言われそうですが、いいんです。なぜならば和歌に関する出題は和歌全体の解釈を問うものより、その和歌を詠んだ人の心情の説明や和歌に含まれる修辞に関して問う問題がほとんどだからです。心情の説明問題は上の「成立事情」がつかめていれば必ず解けます。和歌の修辞で圧倒的に出題されるのは「掛詞」です。「掛詞」には普段から慣れておく必要があります。あとは和歌の大意をつかむ上で大切なのは「句切れ」「倒置」です。では次回に入試で問われる和歌の修辞に関して簡単に述べることにします。

入試頻出の「和歌の修辞法」①掛詞

 和歌の修辞法出題率ダントツの1位は「掛詞」です。みなさんも「一つの言葉に二つの意味を掛ける技法」だということはご存知でしょう。では実際にどうやって掛詞を探し出すのかについて述べましょう。

自分の思い付きではダメ!

 よく、予備校の授業で目にするのは、生徒は和歌の解釈には関係なく自分で思い付いたものを勝手に答えてしまうということです。例えば「うきよの中に」とあると「うきよ」を「憂き」と「浮き」としてしまうというようなことです。この2つが掛詞になっているかどうかは実際に訳してみなければわかりません。掛詞になっていないケースも多いのです。だから和歌の解釈には関係なく自分で思い付いたものを答えてはいけないのです。

掛詞は和歌を解釈する上で順番に2回訳すところ!

 掛詞は和歌を解釈する上で異なる意味で2回訳すところにあるということです。だから上に述べたように和歌の解釈に関係なく自分で思い付いたものを書いてもダメなのです。例えば「秋の野に人まつむしの声すなり我かといきていざとぶらはん」では「人まつむしの声」のところが「人を待つ、松虫の声」と解釈できるのです。掛詞としては「まつむし」「待つ」「松虫」の掛詞になっているのです。よく問題では「まつ」が「待つ」と「松」の掛詞と答えさせることが多いですが、厳密には「まつむし」が「待つ」と「松虫」の掛詞です。「思ひ」が「思ひ」と「火」の掛詞であるように。

 「和歌を解釈する上で2回訳すところ」これが掛詞を探す第1のポイントです。

読んでいて???なところに注目!

 掛詞は本来2回訳さなければならないのに、見た目一つの意味しか見えないので読んでいくと???と感じるところにあることが多いのです。上の例でも「『人まつむし』ってどんな虫だよ?」って思うでしょ。有名な「風吹けば沖つ白波たつた山」でも「白波たつた山」ってなんだ?って感じがするでしょ。これは「沖の白波が立つ(のが見える)、龍田山」ということですね。「たつたやま」が「立つ」と「龍田山」の掛詞です。

 「和歌を詠んでいて???なところに掛詞がある」なところにあるのです。これが掛詞を探す第2のポイントです。

どんな言葉が掛詞になるか?

 掛詞を探すといってもヤミクモには探せませんね。そこで、どういった言葉が掛詞になりやすいかを知っていると探すのがとても楽になるのです。では、どういった言葉が掛詞になりやすいのか、代表的なものを挙げておきましょう。

 ①季節②自然や自然現象③地名④動植物⑤動作・行為⑥人間などです。具体例を挙げておきましょう。①秋。春。②天。雨。波。③明石。住之江。龍田山。④鹿。雁。松。⑤飽き。逢ふ。浮き。射る。etc。⑥海女。尼。妻。

 以上のような感じです。どうです?「そうか!」って感じがしてなんとなく掛詞を探しやすくなった気がするでしょ。

代表的な掛詞を覚えよう!

 ここまで来ればあとは代表的な掛詞を覚えて実際の和歌の問題で演習すれば、もうみなさんにとって掛詞は面倒臭くて嫌なものではなく、点が取れる楽しいものになっているはずです。みなさんの手元にある参考書とか便覧で「あき」が「飽き」と「秋」「うし」が「憂し」と「宇治」「すみ」が「澄み」と「住み」とか、全部で20数個くらい覚えればいいと思います。

 ぜひ、掛詞に強くなってください。

和歌の意味を取る上で大切な「倒置法」と「句切れ」

和歌にインパクトを与える倒置法

 上に述べた「掛詞」以外に和歌の意味を捉える上で大事な修辞法として「倒置法」があります。「倒置法」は和歌にインパクトを与えます。例えば、現代でも普通に「あなたが好きです」というより「好きです。あなたが」という方が相手は強い印象を受けるでしょ。それと同じです。次の和歌を見てみましょう。

  恋すてふわが名はまだき立ちにけり人知れずこそ思ひそめしか

 有名な壬生忠見の和歌です。和歌の意味は「恋をしているという私のうわさが早くも立ってしまったよ。私はあの人のことを人に知られないようにひそかに思い始めていたのに」です。現代語訳を見ればわかるように、この和歌は「立ちにけり」の所でいったん、句点=。が打てるのです。和歌なので普通の散文のように句点は打ってありませんが、句点の所にスラッシュを入れてみると

  恋すてふわが名はまだき立ちにけり/人知れずこそ思ひそめしか

 これを普通の語順に戻して句読点を入れると

  人知れずこそ思ひそめしか、恋すてふわが名はまだき立ちにけり。

 現代語訳は「私はあの人のことをに知られないようひそかに思い始めていたのに、恋をしているという私のうわさが早くも立ってしまったよ」となります。つまりこの和歌は/の所で倒置がされており、「立ちにけり」が散文に戻した時の本来の句末になるので、この第三句の「立ちにけり」で「句切れ」ている「三句切れ」の和歌ということになります。この和歌は天徳四年内裏歌合で平兼盛の「忍ぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで」に負けてしまったといわれますが、マルさんは個人的にはこの壬生忠見の和歌の方が好きです。惜敗だったと言われています。

 「句切れ」は「この和歌は何句切れの和歌か」という形で出題されますので大切です。詳しくは「マルさんの和歌の修辞法」で見てくださいね。

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  入試に頻出する「掛詞」を始めとし、それ以外の「枕詞」「縁語」「序詞」「句切れ」「倒置法」「物の名(隠し題・物名)」についてマルさんが分かり易く説明した冊子です。「とにかく分かり易く説明する」がマルさんのモットーですから堅苦しくなく読み易いですよ。特に「掛詞」の問題をどうやって解くのかを丁寧に説明しておきましたので、和歌の苦手の人もこれを読めば大丈夫!

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